あまりに美しい世界観で、美術館に行ったかのような後味。まるで二次元。
将生さんは、この一家のマンネ兼ストーリーテラーという役どころ
"過去の自分"と"現在の自分"の、演じ分けが大変そうでした。
●非常階段にて、タバコを吸い、咳き込みながらよろよろと歩いくる将生さん登場。
ロングコートを羽織り、そこに立っているだけで絵になる。歩く絵画。
この、よろよろと歩いてきたトムは、現在の、ストーリーテラーのほうのトム。
「わたしの追憶の世界です」
と、自身の家族との思い出を追憶する形で振り返っていくスタイル
●コートをソファにテキトーに投げておくトム
食前のお祈りを割愛して、ごはんをもぐもぐするかわいいトム
当たり前に、咀嚼してるときの顔も、長い脚が机の尺からはみ出てるのも、すべてかわいい(語彙力の喪失)
よく噛むことで唾液腺から分泌されるんだからよく噛んでたべなさい!などと、まるで幼児に指導するかのような内容で怒られ、
母さんのせいで美味しく味わえないよぉ!とぷんぷんするトム(5)
開始5分程度で、すでにかわいさの限界突破だった。
●やりたくもない仕事をするために倉庫に通って仕事をしているトム。
性的な内容の文章を書かされている。
官能的なセリフをジェスチャー付きで音読。
母親も、トムがやりたくないことをやらされていることは承知だが、それでも家族のために働いてこいと責め立てられる。
●客席の方に頭を向ける形で四つん這いになってこうべを垂れてうずくまってもがき苦しむまーくん、否、トムが、あまりにも可愛くて話に集中できなかった。
天パふわふわかわいいし、ぴょんって飛び出てるあほ毛までかわいいし、うずくまる首の後ろのところもかわいいし、困った。
もはや普通に呼吸をしてるだけでかわいい(安定の限界)
●母のアマンダは、家族を置いて逃げた夫を憎みながらも、幸せだった過去の栄光を胸に生きている。また、自分の息子には飲んだくれて自分を捨てた男のようになってほしくないため、息子の素行にとても敏感。
これをしてはダメ、こうあるべきだ。を、自分の子供たちに押し付ける、毒親的要素をもつ人。
幸せになってほしい一心だと掲げながらも、子供の想いを汲むことに欠けていて、屈折した表現が多い。
母の期待に応えたいと葛藤しながらも、母の思うように応えられず苦しむという負のループ。
母の想いは、残念ながらローラとトムにとって重い枷となっている。
母が父との過去を振り返るシーンで、トムが父の代役のような演出だったのですが、2人で踊ったり、また、踊りながら官能的に母の身体を触ったりしてました。
まーくん踊りもイケちゃうよね、天才かな?←
ゴーゴーボーイズのトーイ思い出しました。
声もいいし、もし歌に目覚めたらミュージカルも楽しみだなぁ(気が早い)
●姉のローラは、ハニカミ屋さん(トム談)で、
母親に言われるがままタイピングの職業訓練てきなものに通っていたが、人前に立つと体調が悪くなるため、通っていると嘘をついて実は朝から夕方まで外をふらついているだけだった。
学も職もないなら早いこと嫁ぐしかないと、誰か職場の男を姉に紹介しろと母親から言い渡されるトム。
「姉さんは普通じゃない。僕ら家族からみたらそりゃ可憐で家庭的かもしれないけど、極度のハニカミ屋だし、足も不自由だ。」
自分の子供に弱点があることを認めたくない母親は大声をあげて怒る。
おまえに自由はない。姉さんが結婚するまでおまえが姉さんを守るんだよ!と、追い討ちで圧をかけられるトム。
ローラの趣味は、【ガラスの動物園】と称されている、ガラスの置物たちを眺めること。
無機物だが、まるで生きているもの、友達に話しかけるかの如くガラスの置物を扱っている。
ガラスの置物にまるで友達のように話しかけているコミュ障の姉を「しんど…」みたいな目で見つめながらも、反面、姉のことをガラス細工のごとく繊細に扱って、大切に想っていると感じさせるシーンもある。
●母親が憤慨して、子供が持っている書類を破ったり床にぶちまけたりするシーンがあったのですが、姉の書類が破られたときは弟が拾ってあげて、また弟の書類がぶちまけられたときは姉が拾ってあげて。母親の圧力を、姉弟手を取り合って暗黙の了解で分かち合いながら粛々と生きているんだなと思わせるシーンが印象的でした。
●飲んだくれて本音が爆発するトム
「映画を観に行く」と言い、夜な夜な外にでかけていたトム
本当は、アヘン窟や犯罪に手を染めているとぶっちゃけ、最終的に「クソババア!!」と言い放つトム。
翌朝、ごめんなさいしないと、メッ!だょ?という具合に、ローラに宥められるトムマンネ。
喧嘩をしていたため口をききたくない。母が姉を使ってトムに伝言をしようとする。
酒飲んで悪態ついてたのに、酔いが覚めたらかわいいマンネに戻ってて、急にママと幼児の喧嘩のクオリティになって、なんだかかわいい親子喧嘩の光景でした。
このシーンだったか、
右から顔を覗き込まれて、左にプイッとそむけ、また、左から顔を覗き込まれると右に顔をそむけるトムが、ほんまに赤ちゃんだった。
ほかにも、四つん這いになってソファの裏をハイハイして歩いてたり、地べたに仰向けで寝っ転がってゴネてたり、ほんまに赤ちゃんだった(再)
あと、仰向けになってる時に、鼻筋の美しさが顕著だった…。
自分のサスペンダーをぴよーんと引っ張って、「ばぁッ♡」みたいな感じにチョケてみたり、ただでさえお顔がかわいいのに所作までかわいくてほんまにしんどかった。
あと、仕切りに、オンマに、この子は髪の毛をセットしたら男前になるんだから!と言われて櫛もって追いかけられてたのかわいすぎた。(さっきからかわいいしか言ってない)
あの…御子息は、天パくるくるの状態でもびびるぐらい男前なのですが…?と、アマンダオンマにお伝えしたかった。
●職場にいる男を家に連れてくることを決めたトム
実はその男は、ハイスクール時代にローラが片思いしていた相手だということがのちにわかる。
ただうちで食事しよう!と誘っただけなのに、娘を売り込むために息巻く母親にドン引きするトム。
叶うはずのない初恋の相手の来訪に体調を崩すローラ。
学生時代、ジムに、Blue Roseという愛称で呼ばれていた。
鳥肌…!寒ッッ!とならずに、専ニクで呼ばれて嬉しかったピュアなローラ推せる。そして大人になってもまたBlue Roseと呼ばれて嬉しそうなの穢れなき女。
倉科カナソンベニムに限って、非モテとか、んなわけあるかい!てゆう心の中のツッコミはこの際置いておいて、閉鎖的な価値観に埋もれてゆく儚くて脆いローラをみていると、胸が締め付けられました。
クローゼットに入った水野美紀が現れようもんなら、絶対に恐怖のあまり泣いちゃうほど戦闘能力ゼロの倉科カナソンベニムでした。
●ジムという男には、船の上で運命的に出会ったという婚約者が居た。
友達なのにそんなこと知らなかったなんて嘘だろ?と母親に責められるトム。
本当に知らなくて天然ぶっかましたのか、
母親からの圧力に嫌気がさして、あえて婚約者のいる男をもってきてテキトーにやり過ごしたのか…。いずれにしても姉を傷つけた責任を感じているようなトムの表情。
●初恋の相手に失恋して、砕け散ったローラのガラス細工メンタル。
こんなはずではなかったのか、崩れ落ちる姉をみて居た堪れなくなったのか、
姉ローラを後ろからバックハグで抱きかかえたり、大切なもの、繊細なものを、愛おしさと儚さを纏いながら抱きしめてるのが堪らなかった。姉への愛なのだけど、ある意味恋人へ向ける愛よりも重く深い抱擁のように感じました。
ラスト、語り手である、現在のトムが、過去を懐古しながら肩に手を当てて姉を想う演出からも、姉への懺悔と愛情を感じられました。
●家族にとらわれジレンマを抱える、窮屈な世の中に息苦しさを感じるなど、現代社会にも通ずる普遍的なテーマが、繊細な演技や演出で描かれていて、物語の世界と自分の住む世界がバッサリと切り離されている感覚はありませんでした。
●葛藤する若かりし頃の自分と、そんな自分を時を経て振り返るストーリーテラーという、物語の核となるポジションを将生さんが担っており、非常に感慨深かったです。
圧倒的に美しいお顔、二次元作画な頭身バランス、隠し切れない華、透明すぎて直視できない10000年に一度逸材
を標榜するに値する恵まれた容姿に加え
積み重ねてきた経験に基づき、年々増していく表現力の幅
これからどんな役をこなしてくれるのか、より一層楽しみでしかたありません。